夕刻、ステーションからの帰り道のことです。バスを降りた途端にバケツをひっくりかえしたような大雨が降りはじめました。車中でぽつぽつしてきているのには気づいていたのですが、家までもつだろうと油断していたら、まさか!いきなりのどしゃぶり。バス停のテント屋根の下で雨足をうかがおうにも、斜めに降りつける雨で、ものの2,3分で腰から下はずぶぬれです。とりあえず足袋を脱いだものの、どんどん雨は強くなり、稲妻が走り出す始末。雨宿りできる状況ではありません。もうこれまでと観念して家までの200mあまりを走り帰ります。気休めに射した日傘からは裏漉したように雨がしたたり落ち、道路は5cmくらいの深さの川になっていて草履は水没、いつもより遠く感じる家までの道のり、必死になって駆け込みました。
慌ててきものを脱いで、テレビをつければ大雨洪水警報が流れています。窓の外は強い風のなか雨が垂直に降り、そこかしこになぐりつけるよう。次々と雷鳴が轟き、地響きが止みません。激しい風と雷で家まで揺れて、身がすくみます。
全身ずぶぬれ、どこをしぼっても水が滴るほどで、本当にえらい目にあいました。きものもじゅばんも肌着もびしょぬれになりましたが、幸いなことに洗える素材だったので大丈夫。しかし、締めていた半巾帯は博多の献上で絹素材。濡れないようにかばおうとはしたものの、結局、帯結びの部分、手先やたれ先がだいぶ濡れてしまいました。とりあえず応急処置に、すこしでも縮みや色泣きにならないように、乾いたタオルで水分をうつしとるようにします。草履も新聞紙で包んで水気を取ります。あっという間に新聞紙が湿るので、こまめに取り替えて処置します。豪雨も2時間ですぎました。きものを日常着にすれば、ぬれねずみになってしまう日もあるのかなと思わずため息をついてしまいます。いつも持ち歩いている折りたたみ傘を今日に限って持ち合わせていないというのも皮肉なことでした。絹のきものを着ていたら、どうなっていたことでしょう。
先日三条通のichi・man・ben(若い女の子と学生がやっているアンティークきもの屋さん)にふらっと立ち寄ったら、赤の紗のきものを見つけてしまいました。一見、色無地のようでいて、裾まわりと袖に熱帯魚や海草の地模様が入っているんです。このきもので水族館コーディネイトが作れる!と、衝動買いしてしまいました。紗は透けすぎるので、着る段になって、やっぱりやめとこうと敬遠しがち。透ける紗の優雅さや色気など到底演出できない若いうちは、さっぱり爽やかコーディネイトで勝負します。
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| 赤の紗のきものは古着。裏に居敷当てがついてないので、じゅばんや裾よけに細心の注意が必要です。 |
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| 夏らしくブルーの帯あわせ。涼しく爽やかに。薄いベージュの半衿できものの赤をマイルドに。 |
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