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きものあそび

牧野茜のきものコーディネート
祇園祭 保昌山(ほうしょうやま) 2005.07

今年の祇園祭は宵山、山鉾巡行が土日にあたり、例年以上の人出です。そんな宵山の日にどうしても、四条へでかけることになりました。梅雨が終わるかどうかの蒸し暑い日に人混みにもまれるのはつらいと思うものの、せっかくなのでどこかの町会所に寄って粽を求めたい。そこで、山や鉾の連なる辻からひとつだけ離れた場所にある、保昌山へ立ち寄ることにしました。

保昌山は、数ある山の中でもめずらしい、恋模様がテーマの山です。
文武に優れた平井保昌は惚れた和泉式部の要求する難題に答えようと、宮中に忍び込み、紫宸殿の梅の枝を手折ります。しかし、北面の武士に見つかり、這(ほ)う這(ほ)うの体(てい)で逃げ戻り、やっとのことで約束を果たします。そして恋は成就し、和泉式部を妻に迎えることができました。

四条烏丸から南東の方向、ひとつだけ離れた場所にある保昌山。
保昌山の説明書きにあるとおり‘スリルとロマンス’を感じさせる伝承で、明治維新までの呼び名「花盗人山」のほうが似つかわしい気がします。
また、平安初期の話なので、通常、宮中の南殿に植えられているのは左近の桜、右近の橘と言いますが、左近が桜ではなく梅だったころの話なのです。なるほどなと感じます。
この山の粽は、縁結びと盗難除けのご利益があるそう。保昌が手折った梅の花がついていてかわいらしいものです。

この日のおでかけは、浴衣であふれる宵山にあえて夏きものをチョイス。夏の紬に、絽の染帯を合わせました。このピンクの染帯、じつは謎が多い帯なのですが、その話はまた今度。
   
縁結びの保昌山のちまきは護符つき。   梅の花のついたちまきは、保昌山のほかに、天神さんにちなむ油天神山、霰天神山があります。来年の狙い目は桜の花のついた黒主山のちまき。   花の裏側にはちゃんと緑のがくがついています。

保昌山の胴掛は丸山応挙の下絵で有名。その図柄の手ぬぐいは茶と紺の2色あり。

紺と水色の大小の水玉の絣模様がはいった白地の夏の紬。正確には粋紗(すいしゃ)と言います。
わたしがはじめて買った夏の紬です。透けるので、居敷当てをつけました。帯はアンティークのピンクの染帯です。

コーディネイトのメインは帯のピンクなので、青味がかったグレーの絽のおびあげと、季節を問わず愛用しているくけの2色のおびじめを、添えるように合わせています。
この写真とマネキンの後姿をよく見比べてみてください。おたいこの天地が反対だと気づきましたか?詳しいことは9月に。
     
 
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