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きものあそび

牧野茜のきものコーディネート
正倉院展 2005.11

前から気になっている撥鏤(ばちる・染色した象牙の表面をはね彫りする工芸)という技法があります。昨年亡くなった吉田文之さんという方が復元(1985年に撥鏤の人間国宝に認定)し、以前日本伝統工芸展でその作品を目にする機会があったのですが、繊細で美しい小さな装身具は数ある名品のなかでも特に印象的で、こんな帯留をつけたら本当にステキだなと嘆息したのでした。
10月30日から11月15日まで奈良の国立博物館で開催される第57回正倉院展に、その復元にいたる大本、正倉院の宝物に残る撥鏤の碁石が今回展示されるというので、混雑を覚悟で奈良公園へ向かいました。平日の4時ごろ、少しは人波も引いたころを狙います。お目当ての紅牙・紺牙撥鏤棊子(こうげ・こんげばちるのきし)は想像よりも小ぶりで、花喰い鳥がひとつひとつ刻みこまれています。はるか天平のころの遊戯、この石でゲームを楽しんだのは悠遠の昔であって、いまや誰に使われることなく眠り続ける碁石の可憐さは深く心に残りました。

興福寺
月影と興福寺の五重塔

博物館を出ればもう夕闇、京都と違って奈良の街は観光客の喧騒もどこへやら静かで、興福寺の五重塔から猿沢池へそぞろ歩きに誘われます。
奈良の中心、三条通から餅飯殿通に入ったところに、素敵な手ぬぐいやさん『朱鳥』を見つけました。奈良の奥深いモチーフをデザインした本格的な手ぬぐいはどれも魅力的。色々悩んだ挙句、秋なのに「たんぽぽ」と「月ヶ瀬の梅」の春の柄2枚を買いました。また立ち寄りたいお店です。

■正倉院展 http://www.narahaku.go.jp/exhib/2005toku/shosoin/shosoin-1.htm
■吉田文之氏の作品 http://www.nihon-kogeikai.com/KOKUHO/YOSHIDA-FUMIYUKI/YOSHIDA-FUMIYUKI.html
■手ぬぐいの朱鳥 http://www.akemitori.jp
■通販 http://www.nara-machi.net

オリジナルの手ぬぐいは奈良の風物や年中行事にちなんだデザイン(ネットショップでも買えます。)
手間ひまかかった商品のいくつかはお店限定とのこと。

手ぬぐいで作ったバッグや小物入れなどのアイテムも充実しています。


プレゼント用に着物の形にたたんだラッピングもしてくれます。
左がたんぽぽ、右が月ヶ瀬の梅。春になったら、タペストリーのように飾るつもり。

正倉院の宝物を思わせる重厚な帯は明綴。糸が細いため、生地も薄く繊細な感じがします。
袋帯だと思っていたが、今回の撮影で、この帯が丸帯であることに気づく。格が高いということは、おいそれとは結べないということ…かな?

おびあげ、おびじめはともに鳥の子色(白に近いベージュ)。手組みの冠組のおびじめは実に締めやすく、すばらしい。
六ツ唐花に唐草の刺繍半衿は肌色に近いベージュ、顔うつりがいい。草履の花緒も唐草。
     
 
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