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きものあそび

牧野茜のきものコーディネート
紅葉・公孫樹・朽葉色 2005.12

昨今の京都は、時節を問わず街中が観光客であふれかえっています。時候のいい春秋など言わずもがな、名所旧跡まで足を運ぶのも億劫になるほどで、紅葉狩などすっかりご無沙汰となっています。生まれも育ちも京都という人には、金閣寺や清水寺といった、誰もが一度は訪れそうな場所には行ったことがないという人が少なからずいて、理由を問えばさしたる用事もないのにわざわざ出向かないとの答え、わたしも京都暮らし10年にして、そういった心境に近づいているのかもしれません。
それでも身近な場所の木々の色づきに目を奪われることはあって、堀川通の銀杏並木など、大木で見上げるほどの枝葉からはらはらと舞い散り、積もりゆくさまは、山吹色のシャワーのようでした。暖かな秋が長引いたためか、今年の紅葉は例年よりもおそく、紅葉のきものの出番かなと思い立ったのも12月初めでした。おすすめの場所はと聞かれれば、人混みを避けてゆっくりと木々の色づきが楽しめる穴場、北山の植物園を紹介します。いつ訪れてもゆったりと過ごせる場所で、桜のころもきれいです。

毎年、紅葉のころ締めるのが楽しみな黒の絞りの名古屋帯は、藤井絞のもの。こちらの着物や帯は、絞りのよさ、味わいといったものが自ずと伝わってくる素敵なもので、大ファンです。祇園祭のころには店先に屏風を飾るようなお店(小売はしていません。)で、北観音山の鉾町、町家の立ち並ぶ一角にあります。

絞りで紅葉を染め出した名古屋帯は、晩秋になると必ず、ふっと思い出してたとう紙を紐解きます。あっ、着ないうちに季節が過ぎてしまった!ということのない一本です。

黒のちりめんの染帯は絞りなので、塩瀬の友禅などよりカジュアル感の強い印象です。

     
帯のカジュアルさに合わせ、焦げ茶の半衿と、帯と同じく絞りのおびあげ。しぼが大きくて厚みのある、このおびあげは、ちょっと暑苦しい感じがあるので冬用にしています。
平のおびじめは銀杏模様、裏表の配色が黄葉の前後の色と一緒です。紅葉の待ち遠しい時分には緑色、色変わりのころには黄色へと季節の移ろいとともに使い分けています。

 
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