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きものを着始めたころは、華やかな振袖や可愛らしい小紋を着る楽しみばかりに気をとられ、“色無地があると便利”というきもの本のアドバイスやきものの先達の意見にも、ふーんとは思うものの、どこか実感がわかないでいました。それが今や、初心者の方にアドバイスするなら、やはりわたしも同じように色無地を薦めるのですからおかしなもので、あのころもっと真剣に捉えていれば、色無地を軸にした無駄のないアイテムの揃えかたもできたのにと思わずにはいられません。
季節の合わないきものを着るのはイヤだと思うとなおさらですが、色無地は本当に重宝します。季節の帯があるなら、無地のきものに一層映えますから、年中着られるという柄の訪問着を下手に着るよりもおしゃれ度は上がりますし、たとえ季節の帯がなくても、季節の色のおびあげ、おびじめを配して、ちょうど平安時代の襲の色目のような効果を出すこともできます。たった一枚の色無地で、着まわしも着こなしも広がるのです。
そんな便利な色無地で頭を悩ますことが一つ、それは紋を入れるかどうかということ。きもの本には色無地の一つ紋入りの便利さばかりが強調されているように感じるのですが、それはきものを礼装としてしか着ない、フォーマル中心の和服需要からの視点であって、色無地を紬や小紋の仲間としてカジュアルに着ようとなると、紋があるとかえって窮屈で仕方がありません。確かにお茶会のお手伝いをするようなときには(たとえば2006年1月のコーディネイト)一つ紋があったほうがいいとは思いますが、一つ紋で格が上がってしまうと、逆に2005年12月や今月のようなカジュアルな着こなしが難しくなってしまいます。
今のところ、わたしは色無地を1枚しか持っていないので、紋をつけたり取ったりできない以上は、無紋で過ごしています。(理想を言うなら、もう1枚一つ紋入りをあつらえて使い分けるべきところでしょうが、先立つものがありません。)近い将来このきものを洗い張りするときには、紋を入れるかどうか、入れるなら何の紋をどういった技法で入れるか、再び、悩まないといけません。
今回は、赤・白・青のトリコロール・コーディネイトです。最近、紺と赤の組合せにはまっています。帯の麻の葉、おびあげの菱模様、半衿の松皮菱とすべてひし形ベースの幾何学模様の取り合わせにしてみました。柄にも色にも季節感が全くないので、帯留に雪の結晶をあしらっています。バレンタイン・デーのころの気分です。
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