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私は1977年生まれの巳年、今年は向かい干支にあたる亥年です。向かい干支とは、十二支を円状に配したときに、自分の干支と向かい合わせになる動物のことで、江戸時代から向かい干支を大切にして、身近にその柄の物を持つと幸せが訪れると言われています。酉年の泉鏡花がウサギのコレクションをしていたのが有名です。
向かい干支を知ってから、イノシシの小物を探し始めたのですが、なかなか見つかりません。亥年が巡ってきて、新年の干支飾りが年の瀬に売り出されるのを待つしかないかとずっと諦めていました。ウサギやイヌならいくらでもありますが、干支によってはそのものずばりを見つけるのは大変です。そうなると、たとえば私の干支ヘビならば能や歌舞伎の『道成寺』にちなんで鱗柄というように、昔話や故事に因んでアイテムを探すしかありません。イノシシの場合を考えてみると、「獅子に牡丹」と言われる獅子(ライオン)と音が同じですし、猪鍋は「牡丹鍋」ともいいます。イノシシに因もうと思えば一番に連想されるのが牡丹です。それは私の大好きな花であり、もともとたくさん持っているのでした。向かい干支の亥を大切にするつもりで、牡丹の小物を大事にすればいいと気づいてから、ますます牡丹には縁があるようで嬉しくなり、牡丹集めに拍車がかかった気がします。
いつもは桜が終わったころからゴールデンウィークあたりの季節に着る牡丹の訪問着を、亥年に因んでお正月に装いました。帯留は唐獅子が天に向かって吼えている姿のもの。まさしく「獅子に牡丹」、百獣の王と百花の王の揃い踏みです。 |