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きものあそび

牧野茜のきものコーディネート
ベトナム・ハノイ 絹の旅 2007.08

大好きな刺繍、なかでもベトナム刺繍には目がなく、アジア雑貨店でバッグや服などよく買います。きものの時によく使うバッグもベトナム刺繍のもの。ベトナムへいつか行ってみたいという念願が叶い、夏休みにハノイへ旅行に行きました。
ハノイは首都ですが、商都ホーチミンに比べると人口も経済も小規模で、少しのんびりした雰囲気があります。天秤棒を担いだ物売りの女性たちやシクロ(人力三輪タクシー)を漕ぐおじさん。数ある湖の風景。でも道路を埋め尽くすのは原付バイクの大群で、クラクションの音と埃っぽさが付きまとうアジアらしい喧騒が第一にあって、独特の活気がみなぎります。バイクは日本での自動車みたいなものらしく、ノーヘルのカップルや家族4人乗りなどでいっぱいです。
旧市街にはアオザイ、刺繍、工芸品などの専門店が何百軒と立ち並んでいます。一軒一軒見てまわり、刺繍のバッグやショール、小物入れなどを探しました。ベトナムの配色は原色が強いものが多いので、やわらかな雰囲気のものを見つけるまで、何軒も何軒もはしごしました。また、絹の生地は市場で扱っているというので、旧市街北のドンスアン市場へ向かいました。3階立ての広い市場は小さく区分けされ、帽子、下着、服、バッグからドライフルーツ、漢方薬にいたるまで、それぞれの店が一つの商品だけを山のように扱っています。2階が布地のエリアで、やはり高級品なのか、そのなかでも絹地を扱う店は2、3軒だけ。積みあがった反物を見て値段を聞き、帯用の厚手の生地とコートにできそうな光沢のある薄手の生地を買いました。
せっかくなら絹や刺繍の産地を見てみたいと思い、一日かけてハノイ近郊の工芸村を巡るツアーに参加しました。
ヴァンフック村は絹の産地。シルクショップが立ち並ぶなかにある一軒の工場を見学させてもらうと、幅広の織機が立ち並び、若い女性が機械を操作していました。織機はジャカードで、紋紙がパタパタと動いていました。西陣の工場で見学したジャカードはフロッピーディスクでの操作だったので、実際に紋紙が動くさまは、その音も相まってなんだかとても新鮮でした。 次に訪れたのはクアックドンという農村、村の女性が刺繍を副業としています。びっくりするくらい小さな村の、普通のお家に案内されました。中庭には羽根を一面に天日干し、さばいた鶏の羽根を集めて売るのだといいます。家のお父さんはのんびりとテレビを見て一緒に演歌を熱唱しています。そんな環境のなか、女性たちはハノイから注文された内職の刺繍をしているのでした。村一番の刺繍上手のお母さんは特別に細かい刺繍を刺していて、まだ途中の刺繍の糸が光を受けてキラキラしていました。私の大好きな刺繍は、こういう集落の女性たちの手で一針一針縫われたものなのだなあと実感できました。
ベトナムの絹に関わる村を訪れ、ハノイでは絹製品を購入し、大満足の旅になりました。いつかまた、自分のデザインした柄を刺繍してもらいに、ベトナムを訪ねるのもいいなと思っています。

ハノイの町並み。原付バイクがブンブン走ってます。

店の数も商品の量もおびただしいドンスアン市場の2階にあるシルクのお店。1mあたり25000VND(175円)〜。

ヴァンフックというシルクの村では、大きな機で絹布を織っていました。ジャカードの紋紙がパタパタと送り込まれていきます。

クアックドンという農村では、女性たちが刺繍を仕事にしています。村一番の刺繍上手のおかあさんは、ホーチミンの顔を精密に刺繍しているところでした。


白地の絽の小紋は、紫の四角が3色重なって行儀霰のように大小に並んでいます。

帯の鱗模様の三角は、よく見ると1段ずつ色が違うのがポイント。バッグは絽つづれの帯地でできたボストン型。草履は絽にトンボを刺繍した花緒、網代の台。
     

白と紫、△と□の図形だけのシンプルさが少しもの足りないので、小物で遊んでいます。

ヘビ年生まれの鱗好き。鱗模様の京袋帯は、絽ですがポリエステルなので締めると蒸れます。汗疹覚悟。
     
夏休みらしい小物2点。かき氷の根付は薬師窯のもの。蚊取り線香の小さな箸置きを見つけたので、裏に黒のパーツをつけて帯留に。どちらも夏らしくてセミの声が聞こえてきそう。
 
     
 
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