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きものあそび

牧野茜のきものコーディネート
西陣桜そぞろ歩き 2008.04

西陣に住んで3年、茶道のお稽古帰りなどに界隈をぶらぶら歩くことがよくあります。暖かくなるにつれ、塀越しに椿や梅などが咲いているのが見え、春なのだなあと感じます。特に桜は、智恵光院通沿いにいつも開花が楽しみなお寺があります。観光客もほとんど来ない穴場だけにゆっくり眺めることができるので、心待ちにしています。
智恵光院上立売の本隆寺は、北を除く三方に出入り口があるので通り抜けができます。抱えるほど太い幹の桜の大木があって、蔵や石畳とのコントラストが美しく、おすすめです。自転車に乗って来た近所の子供たちが釣鐘のところに座って桜見物していたのが長閑でした。ある晩、家路を急ぐ五辻通で駐車場の向こうに真っ白なものの気配があり、ふと目をやると、外灯に照らされた桜の大木が闇夜に浮かび上がっていたのでした。そのときから本隆寺の桜のファンになりました。同じ桜でも昼と夜とで表情が違い、時々刻々の姿に惹きつけられます。
本隆寺のもう一つの見どころである瓦積みの塀を巡って北側に行くと、わたしの大好きな雨宝院があります。小さなお堂ですが、所狭しと咲き競う花々がいつも心を躍らせてくれます。4月上旬には椿やクリスマスローズ、枝垂れ桜など、4月末には「御衣黄(ぎょいこう)」という珍しい緑の桜や牡丹、山吹などが咲きます。わたしにとっては秘密の花園です。 この他にも、千本通に面する千本えんま堂の普賢象桜や上品蓮台寺の枝垂れ桜もおすすめです。京都の桜の有名どころはどこも大混雑ですが、静かに咲いている花もたくさんあります。まだ知らぬ美木に出会える楽しみはつきません。

本隆寺の本堂から西には石畳が引かれ、土蔵と白壁が連なり、桜の大木が3本空を薄紅色に染めています。

本隆寺北側、瓦で作られた塀越しに桜と黄金の塔が見えます。
雨宝院の桃色の枝垂れ桜はたっぷりとした花つきで、空の青がまるで透かし模様のよう。(4月上旬)
     

外灯がちょうど花に寄り添うように照らしていて、夜桜も幻想的です。(夜の本隆寺)

4月初めの日曜日、女の子とお父さん、おじいちゃんが連れ立って、桜が舞い散るなか、写真を撮っていました。とってもステキでした。

雨宝院の名物、薄緑の桜「御衣黄」は花芯がほのかに赤く、葉の色と花びらの色の濃淡が繊細です。(4月下旬)

     

桜の花びらの地紋が入った白の色無地。八掛は桜色のぼかし。白+紫+ピンクで夜桜のイメージを作りました。
帯の縞に合わせて、おびあげにもグレーの縞入り。三分紐はピンクに白の縁取り、細身のもの。半衿は、肉厚の手刺繍が豪華。帯の紫と、小物のピンク。紫の桜の扇子でさらにイメージを増幅。
     
黒に浮かび上がる七宝の桜、この帯留をメインに全体をコーディネイトしました。
光沢のあるモールの袋帯を文庫結びに。紫の縞模様の袋帯は全通柄、イタリアのコモ地方で織られた絹地で作られたものです。
     
 
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