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きものあそび

牧野茜のきものコーディネート
夏の雨コート 〜合繊素材と撥水効果〜 2008.06

ポリエステルのきものは水をはじくと思い込みがちですが、ポリエステルは吸湿性が低いというだけで、そのものに撥水、防水効果があるわけではありません。ポリエステルのきものの多くには、生地に撥水加工が施されていて、それで水をはじいているのです。同様に、静電気防止加工などもされています。手持ちの合繊きものはシーズンが終わると、まとめて家で洗濯しますが、同じポリエステルといっても、生地そのものや施された加工に違いがあって、ポロンポロン水をはじくものもあれば、じんわり水に浸かっているものもあって、一様ではないのを実感します。ポリエステルでも、上等なものと安いものとがあるのは、見た目の違いもさることながら、撥水や静電気防止といった加工の違いもあるのだろうと思います。
前から夏用の雨コートを作りたいと思っていましたが、一枚あれば事足りるものなので、着たいと思う着尺を見つけるまで待とうと決めていました。探しはじめてから数年、ポリエステルのなかでもかなり上等な反物のシリーズに、思い描いていたような色のものをようやく見つけたので、早速仕立てました。いつもは煩わしい雨の日が楽しみで、うきうき気分で仕立てあがった雨コートを着てみたら、あれ?なにかおかしいな、よくよく観察してみると、どうやら水をはじいてないぞ!と気づいたのです。元々吸湿性の低いポリエステルですから、それほど大変なことではなかったのですが、夏の紗なので透け目からじわじわと内へしみ込んでいきそうで、下に着ている絹ものに影響がないか、心配になってきます。すぐに製造元に問合せ、実物を確認してもらいました。聞けば、生地への撥水加工の効果が弱かったらしく、雨コートとしては役不足なので、改めて撥水加工を施してもらえることになりました。
ポリエステルだからと過信して、撥水加工が甘かったのに、着てみるまで気がつかなかったのはまったくの不覚でした。今回は事故にならずに済みましたが、絹地なら、しみになったり、縮んだりしかねないことです。確認すべきことはちゃんとはじめに確認して、もうちょっときものを大事にしてあげなくてはいけません。反省しました。

市松の升目ごとに織りかたが違う変わり紗の生地、藤紫色に波々とぼかしが入っています。被布衿の雨コートに仕立てました。

被布衿につきものの共布で作った花の飾りは、好みじゃないので取りました。代わりに、くるみボタンを作ってつけました。
爪先にビニールのカバーがついた雨草履。やっと気に入ったデザインのものが見つかって購入しました。
     

塩沢紬の単衣には、大小の長方形に牡丹、楓、菊や七宝、角つなぎなどが織り込まれています。
博多の袋帯は、裏表同時に織られていてネガポジ関係。でも、白地のほうにだけ臙脂の色糸が使われていたりして、かなり凝った織り模様です。気分に合わせて、表裏を使い分けています。
     
大きな格子の夏の半衿が、きものや帯とよく合っています。黒レースのおびじめが全体の要で、コーディネイトを引きしめています。
昔の帯なので、巾7寸5分(2cmほど狭い)、長さ4m。二重太鼓を結ぶには、ちと短い感じ。あえて、手先を長く取って裏返して使い、一重太鼓に結ぶようにしています。
     
 
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